こんにちは。小机院です。

最近膝の痛みを訴えている50~70代の患者様が増えています。
ほとんどの人は整形外科に受診しており、加齢によるものだと診断されています。
もちろん、加齢は原因のひとつではありますが、それが全てではないと思います。

歩き方の癖が原因で膝に痛みを誘発していることが多いです。
歩いている際の足の向きが外を向いていたり、体重がどちらかの足に偏っていたり。

今回の症例は、72歳の女性です。
右膝の内側に強く痛みを訴えており、整形外科では変形性膝関節症と診断され、他で鍼灸治療をしていたみたいですが、諸事情により通えなくなったそうで、当院にご来院くださいました。
患者さん本人も見てわかるぐらい、左膝と比べて右膝が腫れていました。浮腫みに近いですね、ふくらはぎまで浮腫みがありました。半年前からその傾向があったようです。

主訴:階段の昇り降りが辛く、歩いていても痛い、正座ができない。
靭帯の損傷などは見られず、やや膝が変形し、内側の半月板が少しすり減っているような状態でした。その状態で歩行を続けるために慢性的に炎症をおこし、リンパ液が膝に溜まったと考えました。
治療方針:リンパ液の腫れを引かせ、膝関節の動きを滑らかにして辛い動作を解消していきます。

初診は約3週間前
最初の治療は通常の保険診療と併用して鍼とお灸の施術をしました。保険診療は手技療法と電気治療になります。
鍼とお灸を痛みの出ている膝関節の内側部分と、膝の外側の腸脛靭帯のあたりに施術をしました。
治療後に目に見えた変化はないものの、患者さん本人から楽になったと言葉をもらい施術を終え様子見。
2回目(次の日)
昨日よりも歩いている時の調子は良さそうでした。初診同様の治療を行いました。
3~6回目(初診より2週間)
腫れは残っているが自覚症状が軽くなっている為、保険診療と鍼治療のみに移行。鍼治療は膝の周りに鍼を打ち、そこに低周波を流す「筋パルス」というものをやりました。電気刺激により筋肉を動かし血行を良くしリンパ液の流れを良くする目的で行いました。
4回目の治療後辺りから目に見えて腫れが引いているのが分かりました。6回目の治療後は膝の曲げ伸ばしもある程度出来るようになり、階段の昇り降りも楽になってきたそうです。まだ膝が完全に曲がらないので正座は厳しいみたいですね。
7回目~現在(初診より3週間)
症状が改善されてきた為、鍼治療は行わずにマッサージや運動療法で様子を見ています。運動療法とはいわば筋トレです。筋力をつける事で膝が変形してすり減った部分の負担を減らします。週に1回の通院とご自宅で運動してもらうよう指導しています。
この患者さんの場合はこういった流れで治療が進んでいきました。

何が原因で痛くなったのか、痛む状態とは身体がどうなっているのか、色々探りながら治療方針を決定していきます。
人によって症状や原因も様々なので、みんながみんな今回の例のようにはいきません。お悩みの症状があればお気軽にご相談ください。